Story

あらすじ

とある総合病院の一室。
 
彫刻家の早田健は、半年前の交通事故で脊髄を損傷し、全身麻痺で寝たきりの状態。彼にとって、彫刻家としての創作活動を奪われた今後の人生は耐えがたいものだった。話すことしかできない余生を送るよりは、自ら死を選ぶ方が正しいと考えるようになる。
 
早田は「人間には自分の意志で行動を決定する権利がある。人間の尊厳は当人の選択から生じるものである。」と、退院を希望。病院を出れば残りわずかの生命と覚悟の上で、「死ぬ権利」を主張するのだった。
 
一方主治医の江間は「生命を維持するのが医師の義務」と、早田の希望を退ける。自らの意志が主治医に受け入れられないと分かった早田は、弁護士を雇い病院との交渉を試みる。しかし精神衛生法を根拠に、早田を強制的に留め置き延命治療を継続しようとする病院側。それに対して、早田は人身保護法に訴え出る。
 
ついに、早田の「死ぬ権利」を巡って病室を舞台に異例の裁判が幕を開ける。
 
 


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